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バラのたくましさに見習って

松田 昇

 

 我が家の庭には2本のつるバラがある。毎年5月中旬から6月中旬にかけて、道行く人が思わず目を止めるほど見事にピンクの花を一面に咲かせる。

 この2本は違う品種で、一方は花色も濃く香りも強いが、切り花にすると長持ちしない。もう一方は色は薄く香りはほとんどないが、切って生けてもけっこう長くもつ。10本や20本切ったところで、減ったとは気がつかないほど咲いているので、飾るのはこちらが向いている。

 そんなバラに大敵なのが、黒星病という病気である。細菌が原因で、葉に黒いシミができたと思ったらまたたくうちに他の葉にも広がり、その葉はやがて黄変して落ちる。放っておくと葉は全部なくなり丸坊主になってしまう。特に梅雨時は、雨が上がった後あちこちの葉に黒いシミができている。葉が密に重なり合っているところは必ず移る。密が危険なのは、感染症なのでコロナと同じである。

 バラは5枚の小葉で1つの葉を作っているが、1枚でも感染すると葉全部を切り落とさないと移ってしまう。香りの弱い方のバラは、もともと病気に強いようで広がり方も遅く、この対処法で何とかもっている。一方香りの強い方のバラは耐性が弱く、葉を切って感染防止を図っても追いつかず、葉がほとんどなくなってしまった。与える肥料や土質によっても耐性は変わるようであるが。 

  抵抗力をつけ、密を避け、感染したら隔離する。今のコロナウィルスへの対応とまったく同じである。でもバラはたくましい植物で、たとえ葉が全部なくなってもまた新芽を出し葉が成長してくる。何もなくなった状態から芽を出し徐々に大きくなっていく新しい葉を見ていると、そのたくましさ、健気さに、何とかこの病気から守ってやらなければと思う。支えや励ましがあれば人の社会でもこのたくましさは生かされると信じ、この時期を乗り越えたいものだ。