松田 昇
前号のぴっくあっぷで、カラオケ店の店員さんが利用者さんのことを、たまにピンチ
ヒッターで入る私たちよりよく知っていること、そしてその情報がお店の中で共有され、
別の店員さんも同じように対応してくれることが書かれていました。
逆のことが起きるとがっかりします。ピンチヒッターで入った視覚障害のBさんの買い
物でのできごとです。食品スーパーでいつもと同じようにお寿司を買ってレジに行き、B
さんはプリペイドマネー付きのポイントカードを出しました。その後レジの人が「支払い
はマネーですか?」と聞きました。Bさんは聞こえたのか聞こえなかったのか、臨時で入った私も分からなかったのでBさんが答えるのを待っていたところ、レジの人がプリペイドマネーで引いてしまいました。
Bさんが「クレジットで」と言ったときにはもう遅く、やり直しは簡単ではなく上司に
あたる人が出てきて現金を返してもらい、改めてクレジット払いの手続きをするという面
倒なことになりました。
レジで小銭での支払いに時間がかかるのでクレジットカードを使い、ヘルパー(他事業
所)だけで買い物に行ってもらうときのためにプリペイドカードを使っていると、その後
Bさんから聞きました。
後日、同じスーパーで、同じようにお寿司を買ってレジに行くと、前回とは違う店員さ
んが「クレジット払いですね」と言って、支払機の操作も全部してくれました。いつもこ
うだからという感じでした。
月に2回ほどですが、もう何年も同じスーパーで同じように買い物をしているのに、B
さんのことが共有されていないなあと思わされたできごとでした。
「あんとふる」第38号(2024年12月発行)で書いた視覚障害のAさんの通う理髪店では、Aさんが行くとどの理容師さんもドアを開けて迎え入れてくれます。両開きの手動ドアは、視覚障害者を手引きをしているヘルパーにとっては、入っても閉めにくいドアです。こちらはAさんの情報が共有されているなあと感じます。障がいへの理解が点でとどまるか、線や面に広がるか、分かれ目でもあるような気がします。

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