いつもと同じなのに? いつもと同じだから!

徳田 暖

 

 Cさんは移動支援でプールかカラオケに行きます。日によってどちらかに行きますが、どちらの場合でもコンビニには寄ります。決まった場所、ルートでの活動です。コンビニでは決まった飲み物、決まったお菓子を2個取り、レジに向かい、500円玉を出して、おつりをもらう、パターンです。おつりは買うものが安くなっていることがあり、40~60円と変動はありましたが、特に気にする様子はなく受け取っていました。

 最近の移動支援時の話です。いつものようにコンビニに行き、いつもの飲み物とお菓子を2個手に取ってレジに向かいました。500円玉を出して、商品を受け取り、いつものように手におつりを載せてもらいました。その時に、Cさんがおつりの載った手をまじまじと見つめて、その手を再度店員さんに出して「10円」と言ったのです。物価が上がったこともあり、おつりが3円だけだったのです。今まではおつりに変動があっても10円玉があったのに、無いということに違和感があったようです。ヘルパーがCさんに『おつりはこれで合っているんですよ』と言うと、店員さんも『ごめんなさいね、高くなったからこれだけなんですよ』と、Cさんに話してくれました。Cさんはもう一度手を出しましたが、店員さんの声かけで納得したようで、3円を財布に入れて退店しました。

 正直これまでの様子から、おつりにはそんなに興味は無いのかと思っていたので、10円玉が貰えなかったことに違和感を抱いて、店員さんに言ったことにびっくりしましたし、改めてしっかり見ていることに感心しました。また、今回嬉しかったこととして、馴染みのコンビニであったこともあり、店員さんもCさんの様子を見て、ヘルパーの言葉を聞いて、Cさんにしっかり説明してくれたこともあります。毎週のように行くことで、Cさんと共にヘルパーとも顔なじみになり、挨拶等含めてよい関係が築けていたのだと感じました。

 

 今回のことでさらに、いろいろな場所で、いろいろな関係性の中で、よりよい関係が築けるように、地域の人との橋渡しが出来るようにしていきたいと、改めて思いました。